2025年8月18日

子どものむし歯予防では、歯磨きだけでは不十分な場合もあります。特に奥歯の溝は深く複雑な形をしているため、どんなに丁寧に磨いても汚れが残りやすく、むし歯ができやすい場所とされています。そこで注目されているのが、小児歯科で行われる「シーラント」という処置です。奥歯の溝をあらかじめ埋めることで、むし歯の予防効果が期待できます。
今回は、シーラントの基礎知識に加えて、処置を受ける必要性やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
1. 小児歯科で行うシーラントとは?
シーラントとは、主に子どもの奥歯のむし歯を予防するための処置で、奥歯の溝に専用の樹脂を流し込み、固める方法です。これによって汚れや細菌が入りにくくなり、むし歯のリスクを下げる効果が期待できます。以下に、シーラントの特徴を解説します。①奥歯の溝をふさぐ予防処置
奥歯の溝は深く、生えたばかりの歯は歯質も柔らかいため、むし歯になりやすい傾向があります。シーラントはその溝を封鎖し、歯ブラシが届きにくい部分のむし歯を防ぐ効果が期待できます。
②歯を削らずに済む処置
シーラントは予防的に行う処置であるため、むし歯ができてから削って詰め物をする治療とは異なり、歯を削る必要がほとんどないとされています。健康な歯を守るという観点からも、身体への負担が少ないと考えられています。
③子どもに優しい方法
処置自体は痛みを伴うことがほとんどなく、短時間で終わるため、歯医者が苦手なお子さんでも比較的受け入れやすいとされています。麻酔も必要ないため、低年齢の子どもにも対応しやすい方法と言えるでしょう。
④乳歯にも適用できる
永久歯だけでなく、乳歯にも適用される場合があります。特にむし歯のリスクが高いと判断されるケースでは、乳歯に対しても予防処置として行うことがあります。 シーラントは、「予防のための処置」であることがポイントです。むし歯になってからの治療ではなく、そもそもむし歯を作らないための選択肢として注目されています。
2. 小児歯科で行うシーラントは必要?施術のメリット
中には、シーラント処置が本当に必要かどうか悩む親御さんもいるかもしれません。実際に処置が推奨されるケースは、むし歯のリスクが高い状況や子どもの年齢、生活習慣などによって異なります。ここではシーラントのメリットについて解説します。①むし歯リスクの軽減につながる
奥歯の溝を物理的にふさぐことで、歯磨きでは落としきれない食べかすや歯垢が入りにくくなります。特に生えたばかりの歯はむし歯になりやすいため、予防効果が期待されます。
②子どもの歯を健康なまま守れる
一度むし歯になると、治療後も再発するリスクや歯の寿命が短くなる傾向があります。シーラントでむし歯を未然に防げれば、健康な状態の歯を長く維持できるというメリットがあります。
③治療への恐怖心を軽減できることもある
むし歯治療では麻酔を使ったり歯を削ったりすることがありますが、シーラントで予防できれば、そうした治療を受ける機会を減らせる可能性があります。これにより、歯医者に対する恐怖心やストレスの軽減にもつながると考えられます。
④将来の通院回数を減らせる可能性がある
むし歯治療は複数回かかる場合があり、継続的な通院や再治療が必要になることもあります。予防的にシーラントを行っておくことで、長期的に見て時間的な負担を軽減できる可能性があります。
⑤痛みがほとんどないため継続的に行いやすい
処置に痛みがほとんど伴わないため、定期検診と合わせて行いやすいとされています。必要に応じて再度塗り直すこともできるため、長期的なむし歯予防として継続的に利用しやすい方法と言えるでしょう。 シーラントは、ほとんど痛みがなく短時間で終わる処置でありながら、むし歯の予防効果が高いとされています。歯の健康を将来にわたって守るための第一歩として、歯医者が推奨している方法の一つです。
3. 小児歯科で行うシーラントのデメリット・注意点
シーラントは予防的な処置として多くのメリットがありますが、すべての子どもに万能というわけではありません。そのため、注意点やデメリットも理解しておくことが大切です。
①再処置が必要な場合がある
シーラントは経年劣化や歯の成長に伴う変化によって、剥がれたり、すり減ったりすることがあります。数年後には再処置が必要となるケースもあるため、定期的なチェックとメンテナンスが不可欠です。
②むし歯の見逃しリスク
シーラントを塗布する際に、歯の溝の中にすでにごく初期のむし歯があった場合、それがシーラントで覆われてしまい、見えにくくなることがあります。このような見逃しを防ぐためにも、歯医者で処置前にしっかりとした診査が必要です。
③すべての歯に適用できるわけではない
シーラントは主に奥歯の溝に適用されるため、平らな面やすでにむし歯が進行している歯には対応できないことがあります。また、むし歯のリスクが低いと判断された場合には、処置を行わないこともあります。
④保護者の理解と協力が必要
シーラントは一度塗れば終わりではなく、むし歯を完全に防ぐものではありません。むし歯予防には正しい歯磨きや食習慣の見直しがより重要と考えられています。 シーラントは予防の一環として、正しい生活習慣と合わせて取り入れることが重要です。
4. 上尾市の歯医者 たくみ歯科クリニックの小児歯科
上尾市の歯医者 たくみ歯科クリニックの小児歯科では、お子さんの成長発育に応じて、むし歯や歯肉炎の予防・治療を行っています。乳歯から永久歯への生え変わりを見据え、正しい歯みがき習慣や生活指導を通して、生涯にわたる健康な歯の基盤づくりをサポートしています。初めての歯科通院でもリラックスできるよう、優しい声かけと丁寧な診療を心がけています。
■ 当院の小児歯科ポイント①:子どもが安心できる診療環境づくり
お子さん・保護者ともに安心して通えるように明るく親しみやすい雰囲気づくりと、治療への不安を和らげられるように丁寧な説明で診療を行っています。
■ 当院の小児歯科ポイント②:むし歯を防ぐ予防処置が充実
フッ素塗布・シーラント・歯みがき指導など、むし歯予防に効果的な処置を定期的に実施。乳歯や生えたての永久歯をしっかり守ります。
■ 当院の小児歯科ポイント③:成長に合わせた継続的なサポート
歯並びやかみ合わせ、生活習慣まで含めた長期的な視点で、お子さんの将来の健康まで見据えたケアを提供しています。 お子さんの歯の健康は、将来の笑顔や生活の質に直結します。上尾市の歯医者 たくみ歯科クリニックでは、お子さんとご家族に寄り添いながら、楽しく通える歯科医院を目指しています。まずはお気軽にご相談ください。
▼たくみ歯科クリニックの小児歯科の詳細はこちら
https://dc-takumi.com/medical/medical06/
まとめ
小児歯科で行うシーラントは、子どもの奥歯の溝をふさいでむし歯を予防する方法で、痛みがほとんどなく、短時間の処置ながら高い予防効果が期待されています。一方で、すべての歯に適用できるわけではなく、定期的なメンテナンスやご家庭でのケアも欠かせません。子どもの歯を守るためには、予防と定期的な管理の両方が大切です。 上尾市周辺で小児歯科やシーラント治療についてお悩みの方は、たくみ歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修:たくみ歯科クリニック
院長 荒木 拓道(あらき たくみ)
《経歴》
2009年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部卒業
2009年4月 医療生協さいたま 生協歯科臨床研修医・入職
2010年3月 医療生協さいたま 生協歯科臨床研修終了
2015年4月 医療生協さいたま あさか虹の歯科
2016年4月 東京医科歯科大学歯学部付属病院 研修登録医
2017年3月 東京医科歯科大学歯学部付属病院 研修登録医終了
2019年4月 埼玉西協同病院歯科 歯科医局長
《資格・所属学会》
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日本歯科放射線学会 歯科用CBCT認定医
厚生労働省認定 歯科医師臨床研修指導医
日本睡眠歯科学会
日本栄養治療学会
日本老年歯科医学会
日本障害者歯科学会